設立の趣旨

まちづくり、地域づくり、くにづくりが課題とする領域は、広くて深いものがあります。都市化が進み、社会が複雑になり、社会の分業化が進むにつれ、人々の意思疎通が困難になってきました。関係者の利害対立がからむ問題も少なくありません。

このような状況に対処するには、新しい感性をもった主体間の交流と連携が不可欠であり、国・地方自治体、民間団体、地域住民などが参加、実践するジョイントセクターの出現が望まれています。

地域交流センターは、産・官・学・野(野とは、民間人の立場を言います)の各分野の有志が環境問題を出発点に、まちづくり、くにづくりなどに関わる情報や意見を、どちらかというと個人的立場で自由に行い、相互研鑚を行うととも実践活動に反映することを意図して、1976年4月発足しました。

これまでに、国、地方公共団体、大学、研究者、市民、民間団体、企業等に所属する様々な主体の交流を積み上げ、その結果、日本リサイクルネットワーク会議、日本エコライフセンター、日本トイレ協会(HPはトイレ研究所)、まちの駅連絡協議会、事業連携研究会、くにづくり懇談会、全国首長連携交流会、全国Eボート連携協会、全国水環境交流会、市町村川交流会、全国駒ケ岳友好連峰会議、地域づくり明人会、インフラックス研究会など、様々な組織体が生まれ、それぞれの分野で社会的な力を培ってきました。

地域交流センターは、特定非営利活動法人(NPO法人)となりましたが、公共セクターの民間セクターのつなぎ役として、いわば
中間セクターとしてのNPO(New Partnership Organization)という活動領域を大事にしながら、さまざまな分野と立場の人の交流と連携の機会を設け、以って、豊かな社会づくりに貢献することを目指していきます。


概  要

正式名称: 地域交流センター
資格: 特定非営利活動法人
発足: 平成12年2月22日
所在地: 東京本部:
 東京都千代田区東神田1丁目7番10号 KIビル3階
九州事務所:
 福岡県福岡市博多区千代4丁目31番7号


役員体制

(50音順) ※平成29年1月1日現在
               
代表理事: 橋本 正法 (地域交流センター)
副代表理事: 山本 耕平 (ダイナックス都市環境研究所)
副代表理事: 赤崎 隆三郎 (沖縄まちの駅連絡協議会)
副代表理事: 土居 洋平 (跡見学園女子大学)
(以下理事) 明石あおい (株式会社ワールドリー・デザイン)
井出 隆雄 (シンク・アクト・イデ)
今泉 重敏 (まちづくり計画研究所)
小川 信次 (全国川の駅推進実行委員会)
小川 富由 (東京ビルヂング協会)
木下 博信 (埼玉県議会議員)
齋藤 隆 (川に学ぶ体験活動協議会)
佐久間 信一 (ダイナックス都市環境研究所)
中瀬 勝義 (江東エコリーダーの会)
中橋 徹也 (地域交流センター)
駒田 健太郎 (地域交流センター)
監事: 高橋 祥次 (地域交流センター)


活動テーマ

 健康・医療および福祉に関する活動
 社会教育・学校教育・生涯学習および青少年教育に関する活動
 むらおこし・まちづくり・地域づくり・くにづくりに関する活動
 文化・芸術又はスポーツ等に関する活動
 廃棄物・リサイクル・トイレ・空気等の環境問題に関する活動
 河川・湖沼・海等にかかわる水環境並びに生物に関わる自然環境に関する活動
 国際間の交流連携、地域間の交流連携に関する活動する活動
 地域資源を活用した体験型学習等、地域の人材育成に関わる活動


これまでの活動概要

◇ “環境”から考えるまちづくり・くにづくり
地域交流センターの活動は、1976年4月に東京都で開催した市町村職員、市民、専門家、大学教員、企業などの有志による「廃棄物行政研究会」の開催に始まる。それ以来、ごみ・リサイクルに関わる「廃棄物資源化研究会」を継続しており、その回数は73回に至っている。そうした活動の継続により、ごみのリサイクルに関心を寄せる官民ネットワーク組織として「リサイクルネットワーク会議」を発足している。現在は、姉妹組織のダイナックス都市環境研究所が担っている。

また、ごみやリサイクルの研究会は、さまざまな環境問題をテーマとした活動へと広がり、エコライフとエコマネジメントの推進を目指した「日本エコライフセンター」が発足した。日本経済新聞社と共催する環境広告コンクールは、1991年9月より毎年開催し、2003年に13回を数える。

◇ トイレから考えるまちづくり・くにづくり
公共トイレについて、その質の向上の運動をすすめるため当センターが事務局になり、「日本トイレ協会」が発足した。

1986年2月に、静岡県伊東市で第1回「全国トイレシンポジウム」を開催するとともに、いいトイレを推奨する「グッドトイレ10」の選考を行っている。その後、シンポジウム及びグッドトイレ10は毎年継続しており、1999年には15回を数える。また、日本トイレ協会の活動は世界に広がり、国際トイレシンポジウムが定期開催されるまでに至っている。

◇ “川”から考えるまちづくり・くにづくり
川に関し、河川管理者と地方自治体との交流と連携をすすめるために、当センターが事務局となって、1983年7月に、第1回「全国河川シンポジウム」を開催した。4年間継続した結果、全国各地で河川をテーマにした国と地方自治体のシンポジウム方式が定着化していった。

川を巡る活動として、ダム所在市町村をメンバーに、ダムの有効活用を考える「ダム水源地交流協議会」を発足させ、その第1回目のダム湖面活用フェスティバルを1991年8月に弥栄ダム(広島県大竹市、山口県美和町)で開催した。当協議会の活動が継続・発展する中、水辺の交流を目的としたEボート(E=Exchange、Eco-Life)が開発され、第5回の愛媛県肱川町大会でお目見えした。この「ダム水源地交流協議会」は、川を介して上流下流の市町村交流活動に力点を移すために、1999年10月から「市町村川交流会」へと名称を変え、活動を新たにしている。

水環境をめぐる問題に関しては、全国各地で水環境に関心を寄せる活動をしている仲間の民間交流を促進させる組織が必要であるという認識から、当センターが事務局になり、「全国水環境交流会」を発足させた。1回目のシンポジウム&交流会は1993年9月に埼玉県草加市で開催された。その後毎年継続され、全国各地にネットワーク組織が生まれてきた。

◇ Eボートを活用した川づくり
「ダム水源地交流協議会」の活動がきっかけで開発されたEボートは、1995年7月に多摩川で進水式が行われ、以後全国の河川やダム湖、海で展開されるようになり、1999年までに全国100ヶ所以上の水辺でEボートを活用した親水・交流事業が展開されている。

このEボートをテコに全国の交流をすすめるべく、当センターを事務局として「全国Eボート連携協会」が発足した。Eボートは、小さな子どもたちから高齢者、身体障害者、知的障害者、知覚障害者体などにも、川を体験し楽しむきっかけを与えており、川を福祉的活動の場、教育的活動の場として活用するための道具として、活用方法や利用対象が拡大している。

◇ “地域連携”によるくにづくり
くにづくりに関わる交流研究会としては、国、自体体、大学、マスコミ関係者等の有志メンバーによって「インフラックス研究会」を1990年に発足させ、「道の駅の社会実験」「連携型社会の構築に向けて」「地域連携軸の推進策を考える」「新社会資本と地域連携を考える」などをテーマに、シンポジウム、定例研究会などを開催し、その都度日本経済新聞社の紙面で公開してきた。

また、中央省庁メンバーを中心にした「くにづくり懇談会」も適宜開催し、情報交換の機会をつくってきた。これらの研究会等を通して全国総合開発計画に関連した「地域連携軸」の形成について、全国各地においてモデル地域の掘り起こしを積極的に行っている。

◇ 全国市町村長ネットワーク
地域連携が主要課題となる時代において市町村長のネットワーク化が重要であるという認識のもとに、当センターが事務局となって有志市町村長による「全国首長連携交流会」を1997年4月に発足させた。

以後、定例的に4回開催してきているが、1999年5月に開いた第4回会合は、忙しい首長だからこそ丁寧な交流と意見交換を行おうという趣旨で、2泊3日の合宿形式で行われた。現在、全国のおよそ150人の市町村長より賛同が得られており、首長連携の組織として、更なる交流の拡大と活動の発展を目指している。現在、「提言・実践首長会」の各部会による継続的な活動をしている。

◇ “まちの駅”の全国展開
道の駅は、1994年に「中国地域まちづくりシンポジウム」で提起され、当センターが中心になり社会実験を行ったという経緯があるが、地域連携という視点から新たに「まちの駅(連携拠点・生活拠点)」の考えを提案している。これは、一市町村に一箇所ずつ、まちづくりの情報拠点、交流拠点を設け連携させようという趣旨である。

この考えについて、全国首長連携交流会等でも地域連携をすすめる有効な手段として具体的な取り組みが検討され、公共及び民間からもモデル事例が生まれてきた。これを推進するために当センターを事務局として「まちの駅連絡協議会」が発足しており、今後「まちの駅」のモデル例を拡大し、全国ネットワーク化を図っていく。

◇ 日本ぐるっと一周・海交流
日本は海に囲まれた国だが、海の活用は十分とはいえない状況である。そこで、「もっと日本の海を考え、港をつなごう」という考えに賛同した全国の民間グループや市町村が参加した実行委員会(日本ぐるっと一周・海交流実行委員会)を立ち上げた。現在、ヨット(その他、漁船やフェリー)などに乗って海から国づくりや地域づくりを考える機会として海の交流イベントを実施したり、ヨットで日本一周しながら、各港で海に関わる人々をネットワークするなどの活動をしている。

この活動にはkazi社などヨット関連の雑誌、各地域の新聞社の協力も得ながら広報活動にも力を入れている。